>>環境・エネルギーに関するワード
皆さんは「コージェネレーション」(コージェネ)と言うワードを耳にされたことはありますでしょうか。今回は環境・エネルギーに関するワードから「コージェネレーション」について解説していきましょう。
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■コージェネレーションとは |
コージェネレーション(コジェネレーションとも言う)とは、電気と熱を同時に発生させる熱電供給システムの総称で、「Co(ともに)」と「Generation(発生する)」の合成語です。(略してコージェネ・コジェネとも呼ばれる。)
発電機で電気をつくるときに使う冷却水や発生する排気ガスなどの熱を、温水として給湯や暖房に利用したり、蒸気として冷暖房や工場の熱源などに用いたりします。ひとつのエネルギー源から熱と電気を合わせて供給するため、熱電供給と呼ぶこともありま
す。燃料は石油、天然ガス、LPガス、燃料電池など多様で、ガスエンジン、ディーゼル エンジン、ガスタービンなどで発電します。
このうち、ガスを使って電気と熱を取り出すガスコージェネは、ガスで発電するのと同時に、排熱を給湯、空調、蒸気などに利用する。ガスエンジン方式、ガスタービン方式、燃料 電池方式などがあり、都市ガスを利用するため環境に優しく、省エネ性能も高い。燃料別に天然ガスコージュネとLPガスコージュネがあり、前者はコージェネによる総発電容量の約半分を占めます。後者は同じく5%ほど。また石油を燃料として発電を行うのは石油コージェネで、総発電量の約4割となります。
火力発電などの従来の発電方式のエネルギー利用効率は4割程度で、発電した後に生じる排熱は発電所の外の海などにそのまま捨てて再利用されていませんでした。一方コージェネでは排熱を有効利用できるため、エネルギー効率を高めることができます。発電方式によって違いはありますが、熱と電気を有効に利用できれば、燃料が本来もつエネルギーの8割近くを取り出すことも可能です。こうした特性から地球温暖化対策としても
注目されています。
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■コージュネレーションの歴史 |
コージュネの歴史は古く、19世紀後半にドイツのボストシュラッセ発電所から市庁舎へ蒸気を供給したのが世界で最初とされています。その後、欧米で研究が進み、日本では1980年代から工場、ホテル、病院、オフィスなどで導入されるようになりました。2010年度のわが国における導入量は約940kw。ただし、2008年以降は燃料価格の高騰やリーマン・ショックなどの影響で新規導入量が減少しています。国は高効率なコージェ
ネの導入を支援するため、補助金などさまざまな支援策を打ち出しています。2012年8月には、経済産業省が熱電供給推進室(コジェネ推進室)を設置しています。
21世紀に入ってから、小規模な燃料電池コージェネの開発が急速に進み、家庭用のコージェネシステムが実用化されています。都市ガスやLPガスを改質して水素を取り出し、燃料電池によって効率よく電気と熱を発生させる仕組みです。2011年3月末時点の普及台数は約1万台。また、コージュネでつくった電力の売電も広がりつつあります。
さらに、太陽熱利用などの再生可能エネルギーを組み合わせたエネルギー高度利用システムや、スマートグリッド、スマートコミュニティなどの中核を担う技術としても期待されています。
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■コージェネレーションの導入事例について |
資源エネルギー庁においてまとめられている、主な業界におけるコージェネレーションの導入事例として、以下にご紹介します。
ある化学工場では、発電出力7000kw級のガスタービン1台を導入し、年間で原油に換算して約4900klの省エネを実現。取り出した電気は機器の運転や空調・照明などに活用し、蒸気も生産工程や空調に利用されます。
また、ある病院では2000kw級のガスエンジン2台を導入し、ほかの対策も加えて一次エネルギー消費を約14%削減することに成功しました。このほかにも官公庁や老人保健施設、ホテルなどで導入が進みつつあり、また、地域冷暖房への活用事例も多くあります。
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■コージェネレーション導入によるメリット |
コージェネレーションシステムの導入によって環境面で期待ができる効果とは?
電気と熱を同時に発生させるコージェネレーションの大きな特徴は、必要とされる施設で発電ができる「分散型エネルギー供給システム」であることです。このため、大型火力発電所から送電される場合に生じる発電ロスを最小限に抑えることができ、エネルギー
を無駄なく使うことができます。このようにエネルギー利用効率が高いため、コジェネレー ションは、省エネルギーを実現し、CO2の削減に貢献する環境負荷の低い発電システムとして期待されています。また、地域個別的な発電・給湯システムとして活用することができるのも利点です。
(※内容は一部「緑のgoo」より)
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